
静岡県富士宮市。富士宮市は、ものづくり産業が盛んな街です。
職人たちはそれぞれにとても高度な技術を持っています。その1人、有限会社東伸工業の菅沼田さん。

菅沼田さんの専門は金属加工。これまでは自動車の部品に使われる金属の加工を主に行ってきました。
金属の0.5mm程度の段差なら、手作業で綺麗に角が取れます。1分もあれば十分。機械には負けません。
菅沼田さんは自身の技術についてこう語ってくれました。
そんな菅沼田さんは今、新たな挑戦をしています。それは個人向け商品の開発です。

長い職人人生で初めての挑戦でした。その背景には、目まぐるしい社会の変化の中で新しい生業を模索しなければいけないという危機感がありました。
そしてこの危機感は、菅沼田さんだけでなく富士宮の多くの職人が共有していました。

キャリアカウンセラーの小田 梨恵子さんもまた、この危機感を共有する1人でした。小田さん自身はものづくり産業に従事したことはありません。
菅沼田さんをはじめとする富士宮市の職人たちの危機感の高まりを受け、街ぐるみで職人たちの新商品開発プロジェクトが立ち上がりました。チーム名はフジヤマクラフターズ。
キャリアカウンセラーとして場づくりを得意技としていた小田さんは、この取り組みの中心として人繋ぎを担いました。
富士宮市の職人たちがコンタクトを取ったのは、神奈川県の川崎市でした。
川崎市もまた、ものづくり産業が盛んな街として富士宮市と似た状況にありました。

株式会社大矢製作所の大矢さん。大矢さんは川崎市で金属加工を専門にしてきた職人です。

大矢さんの専門である圧着加工は、性質の異なる金属同士を1ミリの狂いもなく合わせる技術です。
大矢さんはこの技術を活かして金属のお猪口を制作、販売していました。
富士宮の職人たちにとって、新商品開発は未知のプロジェクトです。自慢の技術はあるが、それを同商品に落とし込むべきかが見えずにいました。
大矢さんを始めとする川崎市の職人と富士宮市の職人は頻繁に交流し意見を交わし合っています。
異なる二つの街の職人たちの志は今や同じ。
フジヤマクラフターズの挑戦は続いていきます。